第9回
前回のハヌマンから1年も経ってしまいましたが、やっとできました!テーマは予告通り、アーサナの代名詞ともいえる坐法<パドマ・アーサナ>。
パドマとは紅蓮華つまりピンクの蓮の花のことで、蓮は母性や智恵をシンボライズするインドの国花。ヒンドゥーの宗教文化のなかでは、パドマの名称および形象は人間の霊的進化の象徴として重要な位置を占め、ヨーガや仏教においても、具象としてキーワードとして、あまた用いられます。
<パドマ・アーサナ(蓮華坐)>
<バッダ・パドマ・アーサナ>
背中で両腕を交差して、それぞれの手で反対側の足先をつかんだ形
瞑想とプラーナーヤーマのための代表的な坐法で、文字通り、蓮の花を模した座り方。組んだ脚は節で、連結した蓮の根、背骨は垂直に伸びた茎で、頭が花、膝に上向きに置かれた手のひらは葉でしょうか…。
そしてその形の内奥に秘められた意味としては、「泥の中から生まれ、真っ直ぐな探求のうちに清らかな花を咲かせて本当の自分自身を実現する」ということのようです。
代表的なヴァリエーションは、<バッダ・パドマ・アーサナ>と<ヨーガ・アーサナ>です。
<ヨーガ・アーサナ>
腕を外旋して、指先を手前内側に向け、肘を伸ばして足裏に手のひらを載せた形
脚を組む実技を始める前に準備体操をしておきましょう。
◎蝶々→
バドラ・アーサナ(
合蹠)で座り、両膝を30〜50回細かく上下に動かします。股関節を弛めつつ、可動性を引き出します。
※足首回しなどもしておくとよりいいでしょう。朝菜会のサークルでの
準備運動をご参照ください。
さて、脚が組めるようになったら、蓮華坐・半蓮華の脚の形を含んだいろんなアーサナを試してみましょう。
古典ヨーガの坐法すなわち座り方としてのアーサナから、身の置き方、体の立て方としてのアーサナが生まれ、ハタ・ヨーガの体操的なアーサナにまで発展していった過程を辿っていくことにもなるでしょう。
ヨーガにおいてパドマに象徴される最重要な事柄として、チャクラと呼ばれる7つのエネルギー・センターのことなどにも触れたいのはやまやまですが、このページはあくまでもアーサナの実技のページ。あえて<パドマ・アーサナ>に焦点を絞って進めます。その分、組んだ脚がほどけなくなるくらいシツコクね。
●やさしい形→
膝などの調子の悪いときは、無理をして練習してはいけません。
うまく組めない場合は、坐法として、このようなやさしい形を用いるといいでしょう。
浅く組んだ形
<半分のパドマ・アーサナ(半蓮華坐)>
片足を下に置く形
●仰向けで組む→
空間で膝の位置の自由度が増すので、お勧めの練習法です。最初に組んだ側の膝を向こうに逃がしながらあとの脚を引き寄せるようにします。
手を使わず脚だけで組む練習もできます。いずれは、座って脚だけで組むことも目標に入れましょう。
●捻じる(第3回の捻じりのポーズ参照)
蓮華に組んだ脚を回転させて片脚を立てたのが<マッチェンドラ・アーサナ>の脚の形です。これらの捻じり系のアーサナは、脚の縦の捻じりを基盤として背骨を捻じるのです。
●立ってバランスをとる
第4回でご紹介した<木立のポ−ズ>では、もう一方の脚を安定よく固定するための半蓮華の形がありました。そのほかにも、半蓮華での片脚バランスはいろいろあります。
両脚を組んで立つことは、両膝頭で立つ、たいへんに難しいバランスとなります。
●手で立ってバランスをとる
試してみましょう。腰の横の床に両手をついて脚を浮かせるとしたら、長坐と蓮華坐とどちらがやりやすいでしょうか?組んだ脚のまとまりのよさを活かして、あの手この手で脚を浮かせるアーサナも諸々登場します。
◎手を差し込む練習↓
脚を組んでから腕を入れることは至難の技です。下の要領で、脚を組みつつ両腕を挟み込んでいきます。最終的には、肘の上まで深く入れるようにしましょう。
●逆転・倒立(逆転系のポーズは、<鋤のポーズ>の回参照)
仰向けで脚を組む練習を活かしましょう。
<馬のポーズ>↓
片脚を組み、下の脚を立てて腰を起こし、組んだ側の膝頭を逆脚の踵の後ろにつけます。
左の立位のポーズから膝頭を下ろして踵に乗せる方法もあります。
<山のポーズ>
座して両脚を組んでから腰を起こし両膝頭で立ってバランスをとります。
<うつ伏せの捻じり>
<うつ伏せのパドマ・アーサナ>で、両腕を横に伸ばし、片肘を曲げて床に手をつきます。そちら側の膝を浮かせて、腰から下を上向きにするように回転させて捻っていきます。額を床に残しておくことが大切です。
浮かせる側の脚だけを組む半蓮華で練習してもいいでしょう。
<マッチェンドラ・アーサナ1>
踵をおへそに足先を側腹部にという目安で足を置くことがポイントです。
<マッチェンドラ・アーサナ2>
手の使い方のヴァリエーション
<マリーチ・アーサナ>
←<シールシャ・アーサナ(頭立ちのポーズ)>
手を使わずに脚が組めほどけるようになり、また、壁面に頼らずに頭立ちができるようになってから可能になるポーズです。
<脚を組んだ肩立ちのポーズ>
<ピンダ・アーサナ>
左の肩立ちから両膝を頭の両横に下ろします。(ここから両腕で両膝を抱え込むのですが、残念ながらposerではうまく作れませんでした。)
←<バランスのポーズ>
正座から爪先を立て、片脚を組みます。両手を床について、下の踵の上に身体の中心を乗せるようにして両膝を水平に浮かせ、両手を床から離します。
<ガルバ・ピンダ・アーサナ>
両手を差し込んだら、肘を折って腿を腹部に引き寄せ、頬杖をつくようにして耳をつかみ、坐骨で立ちます。
(手で立つアーサナではありませんが、ついでにここでご紹介します。)
<脚を組んだ孔雀のポーズ>
座して脚を組んでから腰を上げ、寄せた両肘に腹部を乗せ、重心を前方に移動します。腕力がなくバストがある女性にはなかなかに難しいものです。
<クックタ・アーサナ>
右の方法で組んだ脚に両腕を差し込んで腰を浮かせます。
<ウールドヴァ・クックタ・アーサナ>
組んだ脚の両膝を肘の上に乗せます。乗せ方には、下から引き上げる方法と、頭をついた状態で上から下ろす方法とがあります。
メインページに
●両脚で組む(蓮華)←
上記の要領を活用するとスムーズにおこなえます。
@片足を逆脚の付け根に乗せ、A膝を床におろし、Bその上に、そのもう一方の足も同じようにして重ねます。
*アーサナの練習としては、脚の上下をかえておこないましょう。坐法とする際には、おこないやすい方を選んで結構です。
◎より進んだ練習法→
上記の@ABという段階付けを外して、付け根に足を乗せる操作から方向付けて、逆膝のきわの床に直接おろします。
そのために、同側の手にi踵の外側を乗せ、もう一方の手に足先の表側を乗せて、足裏を上に向けるように捻りつつ引いて、足の甲を脚の付け根(ソケイ部)の線に合わせていきます(外踝を恥骨の角につけるという目安でも結構)。

足・直線的・平面的な操作でなく、曲線的・立体的な操作となります。ちょうどサザエの身をしっぽまでうまく引き出そうとする時のような感覚で、膝・股関節の複数の関節の動きをうまく導くようにしましょう。
●半蓮華(片脚組み)
◎基本の練習形

長坐で座し、
@片膝を内側に折り曲げて、足を逆脚の付け根に乗せます。
<蠍のポーズ>→
頭立ちから頭を浮かせて手で立つ倒立で、背面を反らせてバランスをとります。
<ヨーガ・ムドラー>
組んだ踵の内側に拳を置いて息を吸い、吐きながら前屈し顎を床につけます。下腹部が圧迫された状態で静かに複式呼吸をおこなうことで、腸がマッサージされます。
同名の行法として、腰の後ろで両手を組み前後運動をおこなうものなどがありますが、最も脚の形態を活かしたものはこれです。
●番外:アーサナ以外の行法
←<仰向けのパドマ・アーサナ>
仰向けで組む練習のあと、両膝を床につけてくつろいでみてください。座って組んで、後ろに倒れても結構です。この姿勢で水面に浮かぶこともできますので、機会があればお試しください。とても気持ちのいいものです。
●姿勢の変換
<脚を組んだ魚のポーズ>↑
<仰向けのパドマ・アーサナ>から、足先をそれぞれ持ち肘で床を押して胸を持ち上げ頭を反らせ、膝と頭頂を床につけて保ちます。
<鋤のポーズ>の回でご紹介したように、逆転系のアーサナとセットにしておこなうことが勧められる<魚のポーズ>のひとつです。上肢のヴァリエーションとして、額の上の床で腕組みする、合掌の手を胸の上に垂直に伸ばす、背中で合掌するなどがあります。
<脚を組んだコブラのポーズ>↑
座して脚を組み、腰を浮かせ、両手を床について支えつつ上体を前に倒します(=<うつ伏せのパドマ・アーサナ>)。
そこから、上体を起こして反ります。太陽と月の礼拝や第6回のスーリヤ・ナマスカーラに含まれる<コブラのポーズ>のヴァリエーションです。

B膝を横から押して、もう一方の膝に寄せます。
長坐に戻してから、逆脚も同様に。

A膝を上から押して床につけます。
アニメーションは50回に設定。止まっていたら更新ボタンをクリック。
◎予備的な練習法
a上記の@の形で、吸いながら膝を胸元に、吐きながら床にと上下に動かします。ゆっくりと呼吸に合わせて5往復ほどおこないます。
b同じく、膝を床に向けて30回くらい小さくバウンドします。股関節を内側から緩めるようにやさしくおこないます。
それぞれ逆脚も同様に。