<鋤のポーズ>の原名はハラ・アーサナ。「ハラ」は牛に牽かせて畑を耕す木製のスキのことで、アーサナの形状がその形に似ているので付けられた名称です。本当は犂という漢字の方が相応しいのですが、柄に対しての刃の付き方などは、手で持ったり足で踏んだりして使う金属の刃の付いた鋤とほぼ同様なので、この漢字が宛てられます。
●鋤のポーズ(ハラ・アーサナ)
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開始姿勢。仰向けで、両脚をそろえ、掌を床につけて両腕を体側に寄せて伸ばし、軽く顎を引きます。
A残った息を吐き出してから、吸いながら両脚を垂直まで上げます。
B続いて、吐きながら、骨盤から順に胴体部を浮かせていき、足を頭の向こうの床に下ろしていきます。

 喉がきちんと締まっていると、視線は腿ではなく、お腹か胸に向きます。胸が圧迫されて、おのずと腹式呼吸となります。その呼吸を味わいつつ楽に保てるあいだ保ちます。

 戻すときは息を吸いながら、背中の上部から順に骨盤までゆっくりと床に下ろしていき、続いて息を吐きながらゆっくりと脚を床まで下ろしていきます。

 そのあと、両脚を楽な幅に開き、両腕を少し体側から離れた位置に置き、全身の力を完全に抜いた休息の姿勢<シャヴァ・アーサナ>でしばらくの間、休みます。
●<背中立ちのポーズ>ヴィパリータ・カラナ・アーサナ
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両脚を伸ばしたまま上げたり下ろしたりすることは、特に腰に問題がある方には負担になります。軽く膝を曲げて足裏を床につけた姿勢から、膝を伸ばしていくようにして脚を上げると、とても楽にできます。

A
このあと、膝を弛めて足先が顔の真上に来るように腿をお腹の方に寄せると骨盤の下部が浮くので、その下に手の甲と手首を差し込み、立てた指先で床を押して骨盤を押し上げます。腿を引き寄せにくい場合は、伸ばした両脚を左右に傾けるようにして片手ずつ差し込んでもいいでしょう。

Bその手を骨盤の上部にうまく移動して、床についた肘で骨盤の重みを支える形をとります。この時、肩甲骨は床に残し、腰は反らせないで背中のなだらかなカーブを保ちます。

 ここから、両脚を水平に近づけるように下ろしていくと、足先が床に着かない<半分の鋤のポーズ>となります。
 また、垂直に上げていくと、次に紹介する<肩立ちのポーズ>に近づいていきます。この過程のコントロールの中で、喉と肛門が自然に締まって一つにつながる感覚が見つかってきます。これが他の逆転系のアーサナの質的な準備となるのです。

 戻すときは、両脚を上体の方にできるだけ引き寄せて、手に体重がかからないようにした上で、手で助けながらゆっくりと骨盤を下ろしていき、膝を曲げて足を下ろし@の姿勢に戻ってから両脚を伸ばし、休息します。
●肩立ちのポーズ(サルヴァーンガ・アーサナ)
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A
B
@鋤のポーズから、軽く両膝を曲げます。
A膝頭を額に載せるようにして、両脚を二つ折りにします。
B二つ折りのまま、腿を垂直に上げていきます。
C両膝を伸ばし、肩から足先までを垂直に保ちます。
 足先がろうそくの炎の尖端で、お腹が芯が燃えているところ。そのお腹での呼吸を味わうか、あるいは締まった喉の内側に意識を置いて保ちます。
 手順を遡って戻しますが、筋力ではなく重力を利用して脚を運ぶようにしましょう。ろうそくのロウが溶けていくような感じに。
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A
B
<ろうそく>
<耳を塞ぐポーズ>
<脚を組んだ肩立ちのポーズ>
 同じ逆転の系列のアーサナも二つ取り上げます。一つは、<背中立ちのポーズ> で、逆転系の全てのアーサナの準備となり、またそれらに劣らず大切なアーサナで:す。原名はヴィパリータ・カラナ・アーサナ(ヴィパリータは逆転した、カラナは動作)で、<逆転のムドラー>すなわちヴィパリータ・カラニ・ムドラーとして行じられる場合には、若返りをもたらす効果が謳われます。ここではそうしたエネルギー操作的な内容には触れず、先の二つのアーサナの前段階のアーサナとして取り上げます。

 もう一つは、<肩立ちのポーズ>別名:ローソクで、原名はサルヴァーンガ・アーサナ(サルヴァは全て、アンガは四肢・身体)、直訳すると「全身のポーズ」ということで、その名の通りたいへん重要なアーサナです。

 この逆転の系列の他のアーサナも組み込んだ連続アーサナも、後半でご紹介します。
d
 肩立ちの完成形では、背中立ちと違って腰に当てた手にはほとんど体重がかかりません。手で支えている感じがある時は、足を真上に上げているつもりでも、のように体が「くの字」になっています。ちょうど、背中立ちと肩立ちの中間になっているのです。
そんな場合は、いったん足を足先の方向(頭の方向)に水平移動します。すると、背中が立ってきて、鎖骨が顎に寄ってきます。
それから、股関節部の前傾を修正するようにして脚を上げるといいのです。
dその手順を繰り返しつつ、肩から足先までを垂直に近づけていきます。

 手の支えがまったく不要になると、燭台のないろうそくのように完全に肩だけで立つ形がとれます。無理をして首に負担をかけ過ぎないようにくれぐれも注意して、少しずつ練習していって下さい。
@鋤のポーズから戻して下ろしていくときに、両手の甲の上に骨盤が乗るようにし、両膝を曲げて足を下ろします。
A足先を浮かせて、カカトをぐっと突き出して脚を伸ばし、
B同時に、肘で床を押して、胸を持ち上げ頭を反らせて頭頂を床につきます。足先を伸ばし縦の伸びを強めます。
 しばし味わってのち、再び、膝を曲げて足を引き寄せてくると頭と背中を戻すことができます。
●<魚のポーズ>マツヤ・アーサナ
 全く正反対の要素をもつアーサナをセットにすると、大きな相乗作用があります。今回紹介した3種類のアーサナの後は、喉を伸ばし胸を開いて胸式の深い呼吸のできる<魚のポーズ>をおこないましょう。いずれ、きちんと取り上げるつもりですが、今回は、簡易な付加的な方法だけをご紹介します。

<開脚の鋤のポーズ>
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A
B
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A
B
C
●鋤と肩立ちのヴァリエーション
三つの形だけご紹介しておきます。
●逆転系の連続アーサナ(縦の回転によって変換していきます。)
<橋のポーズ>
<鋤のポーズ>
<犬のポーズ>
<背中立ち/肩立ち>
※<マンダラ・アーサナ>という、橋と鋤との水平方向の変換もあります。
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第5回
鋤のポーズ
 鋤は:土を反転して耕す農具で、耕すというのは、土壌を掘り起こして隙間を増やし、保水性と通気性を増して、作物の生育に適した土壌にすることです。
 このアーサナの特徴は、頭と骨盤の上下を逆にして頚椎を強く前屈させた「逆転」という形態で、ちょうど土が鋤で掘り起こされる様にして形成します。逆転により重力の働きがさかさになると、体内環境が一変して、内臓が移動し血液やリンパの流れが変わり諸々の器官の機能が影響を受けます。いわば体が耕されるわけです。
 鋤との外見上の類似だけでなく、鋤き返されるものとの本質的な類似が、この名称には含まれているように思えます。
 また、このアーサナの余禄として、意識面では上下のみならず内外も反転され、シェルターに入ったような安心感、更には胎内回帰もどきの没入感も得られます。