木立のポーズ
<木立のポーズ>原名はヴリクシャ・アーサナ。ヴリクシャとは木のことで、一本の木のように片脚で立つアーサナです。

バランスは単なる運動能力だと思われがちですが、バランスを乱すのは心理的な要素の方が大きいのです。このことに気づきつつ行じるうちに次第に楽になってくるのです。そして、瞑目が自然にできるようになれば、とても静かな気持ちのいいアーサナだと感じられてきます。

何年か前に、ある演劇集団の依頼で、奥多摩の小学校の廃校で、ヨーガの連続講座をおこないました。その時に、木々に囲まれた原っぱで、それぞれ気に入った木に対面しつつこのアーサナを実習しました。澄みきった空気、晴れ上がった真っ青な空、足裏の土の感覚、小鳥の鳴き声・・・、その時の、この上なく満ち足りた気持ちが思い出されます。
インドの行者たちは常にこのように、木になりきって自然と一体化した実感を味わっていたのでしょう。

●開始姿勢<山のポーズ>
両脚の内側を完全に合わせた立ち方で、太陽と月の礼拝の始めと終りもこの姿勢です。ここでまず、自分の座標軸を決める訳です。
左の上の図のように親指まできちんと合わせます。何気なく立つと下の図のような形になりがちです。x脚やo脚だけでなく、外反母趾の傾向のために合わせにくい方が多いようですが、できるだけ合わせようとしてみて下さい。
この姿勢で、合掌して目を閉じるだけでも、とても深いアーサナとなります。
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a●<木立のポーズ>の準備形
山のポーズから片足の踵をずらせて、もう一方の足の甲に乗せるようにします。
そして足先を少し浮かせるだけです。
バランスが決まったら目を閉じてみましょう。浮かせた親指がいつでも床に触れられるので、安心ですね。

b●<木立のポーズ>のやさしい形
膝頭の内側に足裏を置く形。手で持ち上げなくても上がる位置ですし、足裏の収まりがよくて安定します。
目を閉じ、合掌して呼吸に意識を集めて心を落ち着かせます。くずれたら目を開け、繰り返します。

このあとのものもすべて、左脚で先に立った後、右脚でおこないましょう。
●<木立のポーズ>ヴリクシャ・アーサナT
脚を完全に二つ折りにし、ソケイ部に近い内股に足裏を置きます。膝頭が真横に向くようにしましょう。
体が横に曲がらないよう、山のポーズでの中心軸を、そのまま意識します。すなわち立つ脚の親指側から背骨を通る線ですが、合わせた掌と、載せた足の裏も、同じ軸上にあることを感覚するとうまくいくでしょう。
上の図のように、踵をほんの少し前に向けると、位置が安定し、膝もきちんと開きます。
●<木立のポーズ>ヴリクシャ・アーサナV
足をソケイ部に置く形です。とても安定がいいのですが、膝頭がなるべく真下を向くようにしなくてはなりません。
可能なら、足と同じ側の手を腰の後ろから回して足先を持ちます。

そして更に、このまま前屈するヴァリエーションもあります。
●<木立のポーズ>ヴリクシャ・アーサナU
Tから、合掌のままの手を頭上にまっすぐ伸ばしていく形もありますが、同様に両手を上に上げる形として、右図は、アメリカのヨーガ・テキスト:YOGA AND YOU(Esher Myers著)に紹介されていた形です。
両手をバンザイするだけでどうしてこんなに安定がよくなるのか不思議です!ぜひお試し下さい。
ペア・ウィンター氏は、<木立のポーズ><鳥のポーズ>とも呼ばれると、彼のテキストに書いています。そして、木のように生命と光が体を通る感じに、また、鳥のようにリラックスしてしかも油断することなくおこなうのだと、説明しています
片脚立ちのアーサナには、鳥の名のついたものなど、いろいろありますが、そのうちのひとつ、<鷹のポーズ>ウッティタ・ハスタ・パーダーングシュタ・アーサナを含めた連続アーサナをご紹介しましょう。
*<鷹のポーズ>の原名の意味は、「上に上げた、手で足の親指を持つポーズ」どいうことですが、手指で足を持った時に、滑りやすくて気になると、バランスどころじゃなくなってしまいます。
右図のように、足の親指と第2指の間に手の人差指と中指の2本を入れて、外側から回した親指と指先同士を合わせて輪を作ります。更に、残りの2本の指はきちんと折り曲げて指の背を足の親指の付け根に当てるようにすると完璧です。
●やさしいナタラージャ・アーサナの連続ポーズ

@<木立>のやさしい形から、まず、足指を持って前に伸ばします。
A横に開いて、<鷹のポーズ>。Yの形をイメージして、しっかりと脚と腕を開き伸ばします。。
B膝を曲げて後ろに回転させて、足の甲を持ちます。<敬礼のポーズ>とか<ヒットラーのポーズ>とも呼ばれています。片手は両膝をきちんと揃え、肘を曲げて踵を引き寄せます。
C最後は、上体を前傾させながら弓を張る、<踊りの王のポーズ>ナタラージャ・アーサナのやさしい形です。

*形から形への変化の動きのなかで、体が自然にバランスを見つけてくれるのに気づかれるはず。体のそうした感覚を目覚めさせることが、木立の静止・瞑目の準備ともなるでしょう。
   智慧の印
ジュニャーナ・ムドラー
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