<鷹と鷲の連続アーサナ>
<鷹のポーズ>は<木立のポーズ>(第4回)参照
タカ科の比較的大きいものを鷲、小さめのものを鷹と呼ぶという定義とは逆に、<鷹のポーズ>はこのように体を大きく開き伸ばし<鷲のポーズ>体を小さく収縮させます。2つのポーズをつないでおこなってみましょう。<鷹のポーズ>で上げた方の下肢を上に、上肢を下にして<鷲のポーズ>を作ります。したがって、その上肢・下肢を内側に運ぶと、なめらかに<鷲のポーズ>にはいれます。
第13回
<鷲のポーズ>基本形
<木立のポーズ>(第4回)と同様、片側を完全に軸とする片足立ちバランスの一種なので、軸足の側の手を上.にします。
@山のポーズで立ち、左膝を軽く曲げて右膝を重ねます。同時に右肘に左肘を重ねます。
A右足を左足首に、右手を左手首に絡めます。
B左膝を更に深く折りながら、右肘が右膝に乗るところまで上体を沈めていきます。
数呼吸保ったのち、上体を起こしていき、上肢・下肢をほどいて山のポーズに戻ります。
反対側も同様に。

Aで上肢・下肢を同時に絡めることが難しい場合は、@で右足先を床に付けて安定させたまま先に上肢を完成させ、それから足を絡めても結構です。
←上肢・下肢を絡めることが難しい場合は、膝から下、肘から上を寄せた形でおこないます。
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◎上肢の形の練習
ガルダは蛇の毒を癒すといわれ、オリッサ州ブリーの大寺院では蛇に噛まれた人はガルダの柱を抱きます。.そんなイメージを持ちながらおこなってみましょう。
@まず胸を抱く(ガルダの柱を抱く?)ように、前で両肘を上下に重ね、両手を反対側の肩の付け根に置きます。
A肩甲骨内縁に手を届かせるようにして、両肘の重なりを深めます。
B肘の重なりを保ったまま前腕部を前に戻すと、両手の甲同士が向かい合う形になります。
C下の側の手を手前から運んで上の手のひらに指を置きます。手のひらを捻じらず運ぶことが大切です。両方の親指を手前にして両手が真っ直ぐ縦になるようにします。
Dその形のままできるだけ肘を伸ばして、指先を前方に向けていきます。
★受ける側の手を内側に曲げて迎えると、ほとんど指先まで両手を重ね合わせることができます。その重なりを保ったまま両手をまっすぐに伸ばすと、理想的な形が作れます。
(poser4では作りにくい形を写真で示しました。)
今回のテーマは<鷲のポーズ>(原名ガルダ・アーサナ)。原名のガルダとはインド神話に登場する幻の鳥で、人間の胴体と鷲の頭部・嘴・翼・爪を持ち翼は赤く全身は黄金色に輝く巨大な鳥。その名称は天敵ナーガ(蛇)を「飲み込む」という意味の動詞語根<gr>から派生したとされ、インドネシア航空の名ガルーダもこれに由来します。
白牛ナンディンがシヴァの乗り物(第10回参照)であるように、ガルダはヴィシュヌの乗り物(ヴァーハナ)です。『マハーバーラタ』第1章によると、ガルダは母親をナーガ達から救うため天界から不死のアムリタを盗んだのですが、維持神ヴィシュヌは彼の勇気とカを称賛して永遠の命を授け、その代償としてヴィシュヌに仕えることになったとか。
永遠の敵対者同士としての鷲(鷹)と蛇の象徴は、メソポタミアを揺り床とし、西方へは古代ギリシやを経てヨーロッパヘ伝搬された一方、東方へは古代インドヘと伝えられインド神話のガルダとナーガとなったのです。空と大地、男性と女性、精神と物質、生と死…あまたの相補的対立を両者は象徴します。蛇王シェーシャは母なる大地がもたらす生命の水の化身でヴィシュヌの寝床、ガルダは太陽のカと自由の原理の現れでヴィシュヌの乗り物。ヴィシュヌは双方と結びつき、両者の拮抗が彼の維持力を支えます。それは、西方の孤独の賢者ツァラトゥストラの伴侶,が鷹と蛇であることに相似します。両者は誇りと知恵を表し、その結合が新時代を開くカを示します。すなわち至極精神的な内容のみを象徴するものです。それに比して、インドではあくまでも自然の要素間の対立としながら精神までも包み込んでいくのです。
[ガルダ・アーサナ]
脛と腿で地についた脚を圧して両膝でしっかりと身体を保持し、両手を膝に置く。これがガルダ・アーサナである。(ゲーランダ・サムヒター2・37)

←
◎下肢の形の練習
@床に座って、前に投げ出した脚を組むような形で練習します。
左足を浅く立て、その腿に右の腿を載せます。
左膝を内側(右)に少し倒して、右足先を左足首の下にくぐらせて足を絡ませます。反対側も同様に。
A馴れてきたら、立って、片手で壁などにつかまりながら練習します。座った場合と同じように下の膝を軽く曲げ、足を絡ませる時に、その膝を内側に倒すようにするとやりやすくなります。
★より深く絡めると、上の足が軸足の甲に近づいていきます。足を重ねるつもりで練習してみましょう。
このように、片足立ちのバランスで、上肢・下肢を深く絡ませて全身を凝縮させる形は、きわどい均衡のなかでの一点集中を体現します。
第11回の<亀のボーズ>が制感(プラティヤーハーラ)のポーズなら、<鷲のポーズ>は集中(ダーラナー)のポーズと言えます。
ヨーガ・スートラ第3章
1 集中とは,心をある場所に結びつけることである。
体の形態だけでなく、心の側のアプローチとしての集中が求められます。前に出た手(軸足側)の指先とその前方の空間に視線を定め、手先で空間を垂直に切っていくような意識で入っていきましょう。保持の間の一点集中は当然のこと。戻す間も集中を途切れさせないようにしましょう。
★肘を膝に乗せる発展形→
上肢の形と下肢の形を上記★のように深めておき、基本形から更に上体を深く沈め、胸を上の腿に載せます。下の肘は下の膝か更に下方に下ります。

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<上に伸びる鷲のポーズ>
上に伸びていきます。
基本形での凝縮度が高ければ高いだけ、その後、ひとすじに伸びていくものの質が確かなものとなります。指先を顔の方に向けず、上方に垂直に伸ばしていくことが大切です。喉の内側が引き締まる感覚が見つかればうまくいっています。
<鷲のポーズ>の捻じり変形→
基本形を最初の位置まで起こした延長で、下の手の側(軸脚と反対側)に捻じっていきます。
<座った鷲のポーズ>
←<膝で立つ鷲のポーズ>
<膝で立つゴームカ・アーサナ>(第10回参照)から足先を絡めるとスムーズにおこなえます。このように合掌で反るほか、基本形の手の形で上体を真っ直ぐに保っても結構です。
<仰向けの捻じりのポーズ>
<人魚のポーズ>
両脚の絡めは同じ要領ですが、両膝を床につけ、軸足を浮かせます。足先をふくらはぎに引っ掛けるだけで充分です。
開始姿勢・基本形・捻じり・伸び→
このようにつなげておこなってみましょう。かなりの集中力が必要です。
鷹
鷲
(上肢・下肢を内側に運ぶ。)
この二つは同形で、座っておこなうか仰向けでおこなうかの違いだけです。ともに、軸脚と反対側に捻じっていきます。巻貝や渦巻きのように上に向かって広がっていく螺旋のイメージで、胸を開いていきましょう。
※見ての通り、上肢・下肢の上下は<鷲のポーズ>とは異なり、<ゴームカ・アーサナ>(第10回)と同様です。
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