<半ゴームカの捻じり>(
<捻じりのポーズ>の回参照)
前方の手は上の膝頭に手の甲を当てて下の膝を持つようにしても結構です。後ろの手は足先に届かなければ腰に回すだけにします。
第10回
<ゴームカ・アーサナ>の名称について、経典『ハタ・ヨーガ・プラディーピカー』や『ゲーランダ・サンヒター』では、坐法の形がゴームカに似ているためと説明しています。ゴーは牛、ムカは顔や口のことで、「牛の顔のポーズ」とも和訳され、たしかに脚の組み方が後ろから見ると牛の角のようですが、ゴームカという楽器に似ているという解釈もあるようです。
そして、同じ名が地名としてもあります。聖地ガンゴートリーはシヴァ神の頭髪を経て天界のガンガー(ガンジス河)が降下した地点だといわれますが、実際のガンジス河の水源はそこから更に登ったところにあるゴームクという氷窟です。そこで、氷河の氷塊が音を立てて崩れ、「牛の口」のような裂け目から一つの整えられた流れとなってほとばしり出ています。アーサナの上体はガンゴートリー山、両脚の合わせ目はゴームクにあたるとも思えます。
もう一つは私の自説。シヴァ・リンガムをご存知でしょうか。ヨーニ(
♀)の台座の上にリンガム(
♂)が直立した形の彫像です。ゴームカ・アーサナの上体はリンガムで、下体はヨーニ。形と体感からまずそう思い、「牛の顔」との関連を考えてみました。
リンガムはそもそも破壊神シヴァの象徴で、シヴァの顔のついたムカ・リンガムもあるそうです。ヨーゲーシュヴァラ(ヨーガの王)とよばれるシヴァは、パシュパティ(獣の王)ともよばれ、白牛ナンディンをヴァーハナ(乗り物)とし、自身が牛頭の姿に描かれることもあるそうです。畢竟、ナタラージャ(踊りの王)としてのシヴァの
「踊りの王のポーズ」に対して、牛の顔をもつ「獣の王のポーズ」ということになるでしょうか。
ハルドワール辺りで見かけたリンガム
(画像をクリック)
<ゴームカ・アーサナ>
両膝頭を重ねて、両足をそれぞれ逆側の脚の付け根の横に置き、片手は上から、片手は下から回して背中で両手をつなぎます。
頭をしっかり起こして下腹を締め、背中の手の触感に意識を置きつつ、瞑目するか、眼前の空間の1点に視点を定めてしばし保ちます。
上肢・下肢の上下を入れ替えて同様におこない、そのあと、<
亀の休息のポーズ>などでやすみます。
<半ゴームカの前屈>
可能なら、上の膝頭をあごでとらえ顔を下の脚につけます。上肢を<ゴームカ・アーサナ>の形にしても結構です。
<足で立つゴームカ・アーサナ>
<ゴームカ・アーサナ>から、いったん両手を床について腰と膝を浮かせ、両足の甲で立ちます。安定したら手を床から離して保ちます。
<アシュタヴァクラ・アーサナ>
<ゴームカ・アーサナ>から、上の脚を立て、腿を水平に脛を垂直にし逆側の手で足首を持ち同側の肘を膝に置いて、頬杖をつくようにして、腰を起こし下の膝頭を上の脚の膝裏に付けて保ちます。
●上肢の組み方
片腕を上に、もう一方を下に、しっかりと伸ばし、後ろに引きつつ中心に寄せてから、肘を折って両手を背筋に寄せます。
a→親指以外の4本の指同士を鉤のようにひっかけます。
指の曲げ方で加減できます。人差し指だけをひっかけるのが簡便な形です。

どうしても無理な場合は紐などを持つか、両手を背筋に寄せるだけにします。大切なのは肘と頭の位置です。上の肘を頭に、下の肘を脇に寄せるようにしましょう。後頭部に寄せた上の肘を押すようにして頭をしっかり立てられれば完璧です。
b→互に手首を持って深くつなぐ形です。
◎上の手のトレーニング←
片腕を上げてその肘をもう一方の手で頭の後ろに引きます。手が逆側の肩に触る位置までくればこのポーズの準備としては充分です。
さらに余裕があれば、二の腕が首の後ろにくるくらいに逆側の肩のほうに引きます。
◎下の手のトレーニング←
片腕を背中に回し、肘をもう一方の手で引きつつ背筋に置いた手の甲を上方に滑らせていきます。手が肩甲骨の間にくればこのポーズの準備としては充分です。
さらに余裕があれば、頭を傾げて指先で同側の耳を触れるくらいまで上げます。
●下肢の組み方
@片膝を立て、その内側からもう一方の脚を引き入れて、膝を前の床に踵を腿の付け根の傍らに置きます。
A立てた足を膝の向うに引き、B膝を倒して膝頭を重ね、Cその足も同様に反対側の腿の付け根の傍らに置きます。
正坐から横座りになり、上の脚を反対側に運ぶ方法もあります。
a
b
@
A
B
C
●半ゴームカ
下の脚を伸ばした半分の形をきちんと練習することも有用です。まず、下の脚を若干立てたまま膝頭を重ね、下の脚を少しずつ伸ばしつつ上の膝が離れないようにしていきます。
加えて半ゴームカでおこなうアーサナ2つも実習しましょう。
●下肢のヴァリエーション1←
足首で両足を交差して、正坐のように膝を折って座ります。足先はそれぞれ外側に向きます。股関節の柔軟性は問われませんが、足首から下が圧迫されて苦痛が伴いがちです。
●下肢のヴァリエーション2→
基本の組み方からさらに、下の足の踵を肛門の下に、上の足の踵を腿の下に敷き込み、両踵を近づけます。そのために、両脚を膝頭より上の腿の部分で深く交差させます。柔軟性が充分でも、脚がかなりスリムでないと困難です。

きちんと形をとるためには、足の甲を伸ばして足先を後ろに向けることと、上のふくらはぎをうまく収めることが必要です。股関節の問題で上の脚が立ったままで膝頭が重ならない場合は、足先を後ろに向けて甲を伸ばすようにだけはしましょう。
←縦に二つ折りにした座布団に座り、両足を座布団の外側に置くようにすると楽におこなえます。
関節の可動性を高めるために
基本の準備体操をおこなうこともお勧めです。
私は、上肢と下肢の上下をそろえ、←左図のように左脚が下なら左腕を下にします。それはこのアーサナの内蔵する螺旋形のエネルギーの流れに沿うためです。組んだ両手を外旋方向に少し捻じってみると、上体がすっと引き上げられる感じがみつかるはずです。
床屋さんの看板柱を思い浮かべてみてください。円筒の回転に伴って、動脈をあらわす赤と静脈をあらわす青と包帯(リンパ?)をあらわす白の3色の縞模様が螺旋を描きつつ上昇していきます。ちょうどそのようなエネルギーの流れをリアルな体感として味わえます。
1
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●バランス系のヴァリエーション
坐骨を床につけて座る基本形から腰を上げて膝や足で立つアーサナ群です。
下肢の上下と上肢の上下の組み合わせについては、テキストにより指示が異なります。片脚立ちなど体の片側を軸とする場合は大抵、立つ脚と同側の上肢を上にしますが、それに準じれば右図→の形になります。
←片手を前から回して肩越しに引き上げてもいいでしょう。
→背中で合掌して手の位置を上げていくのもいいトレーニングになります。
<ゴームカ歩き>
後ろの足を前に移動して組み換えつつ膝で前進します。後退も試してみましょう。
<ゴームカ・アーサナの前屈>(
<捻じりのポーズ>の回参照)
手は足裏に置くか膝頭を持つか肘までを床に置くかし、腰を沈め上体の重みを脚に預けます。骨盤が安定し脚が落ち着きますので、そのあと、上肢を組むようにするといいでしょう。
メインページに
<膝で立つゴームカ・アーサナ>
<ゴームカ・アーサナ>から、腰を上げて膝立ちになります。
b
さて、このようにして下肢と上肢を組んで<ゴームカ・アーサナ>が完成したら、下記のヴァリエーションも試みてみましょう。